子どもに多い病気
アレルギー性鼻炎(花粉症含む)
1.アレルギー性鼻炎ってどんな病気?
アレルギー性鼻炎は、ダニ・ハウスダスト・花粉などのアレルゲンが鼻粘膜に触れることで起こるアレルギー反応です。
鼻粘膜が過敏になり、
- くしゃみ
- 鼻水(透明)
- 鼻づまり
- 目のかゆみ
などの症状を繰り返します。
子どもでは、
- 集中力低下
- 睡眠障害
- 口呼吸による歯列・顔貌への影響 など、生活の質(QOL)に大きく関わる病気です。
2.どんな症状が出るの?
- 透明でサラサラの鼻水
- 連発するくしゃみ
- 鼻づまり(夜間に悪化しやすい)
- 目のかゆみ・充血
- 口呼吸・いびき
- 集中力の低下・眠気
- 嗅覚低下(年長児)
症状は、
- 通年性(ダニ・ハウスダスト)
- 季節性(スギ・シラカバ・イネ科など) の2タイプがあります。
3.どんな検査を行う?
年齢に応じて、以下を組み合わせて診断します。
- 問診・診察(症状の時期・生活環境・家族歴)
- 鼻粘膜の観察(蒼白・浮腫・水様性鼻汁)
- 血液検査(特異的IgE) → ダニ・ハウスダスト・花粉などの感作を確認
- 鼻汁好酸球検査
- 皮膚プリックテスト(年長児)
- 鼻腔通気度検査(鼻づまりの程度)
- 副鼻腔炎の除外のためのX線・内視鏡(必要時)
4.治療はどうする?
◇薬物治療(年齢・重症度で調整)
- 抗ヒスタミン薬(内服) → 眠気の少ない第2世代が中心
- 鼻噴霧ステロイド薬(点鼻) → 鼻づまりに最も効果的
- ロイコトリエン拮抗薬(内服) → 鼻づまりに強い、喘息合併例にも有効
- 点眼薬(目の症状が強い場合)
◇重症例・季節性花粉症
- 初期療法(花粉飛散前から治療開始)
- 舌下免疫療法(SLIT) → スギ・ダニに対して可能(5歳以上) → 根本治療として有効(当院では行なっておりません)
◇環境整備(最重要)
- ダニ対策(寝具の洗濯・掃除)
- 花粉対策(帰宅後の洗顔・衣服管理)
- ペットの毛・フケ
- 受動喫煙の回避
5.年齢による治療の違い
◇乳幼児(0〜5歳)
- 内服薬中心(抗ヒスタミン薬・ロイコトリエン拮抗薬)
- 点鼻は保護者の介助が必要
- 鼻づまりによる睡眠障害が多い
- 舌下免疫療法は5歳以上から
◇学童期(6〜11歳)
- 点鼻ステロイドが使いやすくなる
- 学校での集中力低下が問題化
- 舌下免疫療法が選択肢に入る
- 花粉症の初期療法が有効
◇中学生〜高校生(12〜18歳)
- 自己管理が可能
- 学業・部活への影響が大きい
- 治療中断が悪化の原因になりやすい
- 舌下免疫療法の継続がしやすい
6.重症度による治療の違い
◇軽症
- 抗ヒスタミン薬
- 必要時の点鼻薬
◇中等症
- 抗ヒスタミン薬+点鼻ステロイド
- ロイコトリエン拮抗薬の追加
◇重症
- 点鼻ステロイドを中心に多剤併用
- 舌下免疫療法
- 副鼻腔炎の合併を評価
7.パパ・ママへメッセージ
アレルギー性鼻炎は「よくある病気」ですが、 睡眠・集中力・学習・顔貌の発達にまで影響することがあるため、早めの治療がとても大切です。
- 透明な鼻水・くしゃみが続くときは早めに相談してください
- 点鼻薬は「正しい使い方」で効果が大きく変わります
- ダニ対策は家庭でできる最も大切な治療です
- 舌下免疫療法は根本治療として期待でき、長期的な改善につながります
- 花粉症は“飛散前からの治療”がとても有効です
