子どもに多い病気
鼻出血
1.鼻出血とは?
子どもの鼻血の7〜9割は、鼻の穴のすぐ内側にある粘膜の薄い部分(キーゼルバッハ部位)から起こります。
ここは毛細血管が集まっており、
- 鼻をほじる
- 強く鼻をかむ
- 乾燥
- 風邪やアレルギー性鼻炎で粘膜が荒れる
といった ちょっとした刺激 で出血しやすい場所です。
多くの場合、重大な病気が隠れているわけではなく、成長とともに落ち着いていきます。
2.注意すべきポイントは?
- 上を向かせない:血がのどに流れ込み、吐き気や嘔吐の原因になります。
- 鼻の骨(付け根)ではなく小鼻を押さえる:出血点に圧が届きません。
- 途中で指を離さない:固まりかけた血がはがれて再出血します。
- ティッシュを奥まで詰めない:抜くときに傷をこすり、再出血します。
3.ホームケア(正しい止め方)はどうする?
- 座らせて、顔を少し下向きにする :上向き・仰向けはNG。血がのどに流れない姿勢に。
- 小鼻(柔らかい部分)を左右からしっかりつまむ :親指と人差し指で鼻の穴が閉じる程度に圧迫します。
- 10〜15分間、途中で離さず圧迫する :時計で時間を測るのがコツ。途中確認はしない。
- のどに回った血は飲み込まず吐き出す :飲むと気持ち悪くなり、嘔吐につながることがあります。
- 止まらなければもう一度10分圧迫 :合計20〜30分で止まらない場合は受診しましょう。
4.止まった後の過ごし方は?
- 当日の入浴は短め、長風呂は避ける(血流が増えるため)。
- 鼻を強くかまない・いじらない。
- 激しい運動は当日は控える。
- 就寝時は枕を少し高めに。
5.受診の目安は?
次のような場合は耳鼻科または小児科へ相談してください。
- 正しく圧迫して 20〜30分 しても止まらない
- 出血量が多い、勢いが強い
- 頭を打った後の鼻血
- 週に何度も繰り返す
- 歯ぐきからの出血・あざが増えるなど、他の出血傾向がある
夜間・休日で判断に迷うときは #8000(子ども医療電話相談)が利用できます。
6.鼻血を繰り返す主な原因は?
1) 鼻をいじる癖(最も多い)
鼻の入り口の粘膜(キーゼルバッハ部位)は非常に薄く、 指でこする
→ かさぶたがはがれる → 再出血 というサイクルが続きます。
2) 乾燥(冬・暖房・アレルギー)
乾燥すると粘膜がひび割れやすく、軽い刺激で出血します。
北海道の冬は特に頻度が増えます。
3) アレルギー性鼻炎・風邪で粘膜が荒れている
鼻をこする・かむ回数が増え、粘膜が慢性的に炎症を起こしている状態。
鼻炎の治療が整うと鼻血も減ります。
4) 鼻中隔前方の血管が生まれつき豊富
構造的に出血しやすい子がいます。
成長とともに改善することが多いです。
5) 鼻の外傷(ぶつける・転倒)
軽い外傷でも同じ場所が繰り返し傷つくことがあります。
6) 鼻腔内の炎症(副鼻腔炎・鼻前庭炎)
粘膜が腫れて血流が増え、出血しやすくなります。
7) まれな原因:出血傾向(血小板減少・凝固異常)
以下がある場合は鑑別に入ります。
歯ぐきからの出血。あざが増える。家族歴。鼻血の量が多い・止まりにくい。
7.パパ・ママへのメッセージ
鼻血は見た目が派手で驚かれると思いますが、子どもの鼻血のほとんどは心配のいらないものです。
まずは保護者の方が落ち着いて、正しい方法で小鼻を押さえてあげることが一番の近道です。
繰り返す鼻血も、鼻をいじる癖、乾燥、鼻炎 などが背景にあることが多く、生活環境の調整で改善することがよくあります。
「また出ちゃった…」と不安になるかもしれませんが、 成長とともに粘膜は強くなり、頻度は減っていきます。
気になることがあれば、いつでも相談してくださいね。
