子どもに多い病気
乳糖不耐症
1.乳糖不耐症ってどんな病気?
乳糖不耐症とは、母乳や牛乳などに含まれる糖分である「乳糖(ラクトース)」をうまく分解・消化できない状態のことです。
小腸の粘膜で作られる「ラクターゼ」という消化酵素が不足することで起こります。
- 先天性乳糖不耐症: 生まれつき酵素がほとんど作られないタイプ(非常にまれです)。
- 続発性(後天性)乳糖不耐症: 胃腸炎(ロタウイルスなどの感染性胃腸炎)や下痢をしたあと、一時的に小腸の粘膜がダメージを受けて酵素が減ってしまうタイプ(子どもの場合はこれがほとんどです)。
2.どんな症状が出るの?
乳糖がうまく消化されずに大腸に届くと、おなかの中で発酵してガスや水分がたまり、次のような症状を引き起こします。
- 下痢: 酸っぱいにおいのする水のような下痢や、泡立った下痢が続きます。
- おなかの張り・腹痛: お腹がゴロゴロしたり、張ったりして不機嫌になります。
- おならが増える: ガスが多く発生します。
- おむつかぶれ: 酸性の便が続くため、おしりが赤くただれやすくなります。
◇注意したいポイント
感染性胃腸炎(おなかの一週間など)のあとに、いつまでも下痢がダラダラと長引くときは、この「一時的な乳糖不耐症」を起こしているケースがよくあります。
◇牛乳アレルギーとの違い
乳糖不耐症は牛乳アレルギーとは異なり、
- アナフィラキシーを起こさない。
- 少量なら摂取可能なことが多い。
- ヨーグルトやチーズは食べられる場合がある。
という特徴があります。
3.診断はどうするの?
基本的には、これまでの経過や症状(ミルクや母乳を飲むとお腹の調子が悪くなるか、胃腸炎のあとに下痢が長引いているかなど)から医師が総合的に判断します。
- 特別な検査をしなくても、一時的な食事の工夫(診断的治療)によって症状が改善するかどうかで確かめることが多いです。
- 必要に応じて、便の性状を確認する検査を行うこともあります。
4.治療やケアはどうするの?
続発性(胃腸炎の後など)の乳糖不耐症は、一時的なものがほとんどです。
腸の粘膜が回復すれば自然に治りますので、過度な心配はいりません。
- ミルクのお子さん: 一時的に「無乳糖ミルク(ラクトースフリーミルク)」や「低乳糖ミルク」に切り替えることで、下痢がすっと治まることがあります。
- 母乳のお子さん: 母乳にも乳糖が含まれていますが、母乳育児は免疫の面などでも大切なため、基本的には母乳を続けながら様子を見ることが多いです(症状が強い場合は、授乳の前に乳糖を分解する酵素製剤を使うこともあります)。
- 離乳食が進んでいるお子さん: 一時的にヨーグルトや牛乳などの乳製品を控えめにし、消化の良いもの(おかゆやうどん、煮込んだ野菜など)を中心に与えましょう。チーズやバターは比較的乳糖が少なめですが、下痢が治るまでは少し控えると安心です。
5.パパ・ママへのメッセージ
「おなかの風邪が治ったと思ったのに、いつまでも下痢が続いておむつかぶれがひどい…」と、パパやママはとてもご心配なことと思います。
乳糖不耐症は、腸がダメージから回復しようとしているサインの一つであり、一時的な現象です。
適切な食事の工夫をすれば、腸が元気になるにつれて必ず元の食事に戻せるようになります。
「もしかしてこれかな?」とご不安なときは、自己判断でミルクをガラリと変えたりせず、いつでもお気軽に当院へご相談くださいね。
お子さんの元気な笑顔を一緒に取り戻していきましょう。
